9月1日 SUEZEN主催出会って4秒フェス

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第1回目バンドなんてやめて国へかえろう | 第2回目夏真っ盛り

SUEZEN主催第1回 バンドなんてやめて国へかえろう

2012年4月15日slow down。
記念すべきSUEZEN主催イベント第1回目はキャパ40人のslow downにてこじんまりと。
「バンドなんてやめて家族や身の回りの人を大切にしてほしい」というメッセージを込めたイベントタイトル。 濃いライブをする3バンドが出演。結果、「バンドもっと続けてください」と思えるような演奏を披露してもらえた。

この日はSUEZEN森本が勤め先のBBQの後にリハーサルに登場。結構な遅刻。
自らが考案した新曲「Shigasaku」のメインリフを完全に忘れるという大失態を犯し、バンド結成以来して394度目のクビ宣告を受ける。

O.A.月曜日のユカ

シークレットオープニングアクトとして出演してくれた月曜日のユカ。SUEZENドラムス幸子がドラムを叩くバンドであるが、この日はボーカル大下とギター落合のアコースティックバージョンで出演。
本人達の楽曲に加え、ZAZEN BOYZやフジファブリックのカバーなども披露。
イベントを静かに、確かに、はじめていただいた。

1.psychic stoic technique

ギターボーカル岡崎の奏でる渋いフレーズに心を打たれてブッキング。
頭が音の中に沈んでしまうようなサイケデリックな楽曲から、くさいギターフレーズで踊らすダンスナンバーまで幅広い演奏で観客を魅了。

ライブを観た時に「このギターボーカルは昔のロックの住人だな。顔もそれっぽい」と勝手に決めつけていたけど打ち上げで「ゆらゆら帝国が好きですね。昔のロックはわかりません」と言ってたので山に埋めた。

2.カナタ

この日のベストアクトは間違いなく彼ら。
鬼のようにシンバルを叩き殺すドラム高橋の正式加入により音のエッジがはっきりとステージ上に現れていた。
カッチリとハマったアンサンブルの中を流れるテンションコードとアルペジオにボーカルアンの歌声が加算され、見ているこちらを飲み込むような演奏を。

中でもこの時点での最新曲「深く沈む」はイントロの入りから、中盤の絶唱までコードの色が見えてしまうくらいの美しさだった。

3.SUEZEN

SUEZENの演奏中、psychic stoic techniqueファンの若者達が全員外の談笑スペースに移動するというゲルマン民族もひれ伏す大移動も起こり、かなり異様な空気の中9曲演奏。
のちに定番曲となる「Shigasaku」を初披露したり、ライブではめったにやらない「けむりのまち」「金色」などもちゃっかり演奏。
われわれの演奏はとてもちぐはぐで料理に例えるなら白菜の刺身だった。

4.メガネカラッパ

SUEZENメンバーとは古くからの付き合いの彼ら。しかし、なかなか共演の機会がなかったのでお誘いを。
彼らのライブを観たのは6年前だろうか。その時とは全く違うバンドがそこに。

ボーカル松田(ミホ)の歌を中心に各楽器が楽曲の袖を描くという従来のスタイルは崩壊し、ボーカルも楽器の一つとしてそこに存在していた。昔からのファンだった僕はこれに少なからずショックを受けた。

何十回も見ているのに新しいバンドのライブを観るような感覚で彼らの音を受け取る。
この時点では「何かがはじまろうとしている」というのが素直な感想だった。
(そして、ここから半年以上たった後、彼らのライブを観て「あ、このスタイルの変化は大正解だったんだ」と思い知る)

SUEZEN主催第2回目 夏真っ盛り

SUEZEN主催夏真っ盛り

2013年1月5日ヲルガン座。 9月に行われたライブサーキットイベントの打ち上げにてガール椿ギターの矢野さんと談笑中に

「大森靖子さんのライブがまた観たいんです。ガール椿主催に呼んでくださいよ」
「あぁ、でも1月に俺らの主催が既に決まっててね。大森さんそれ観に来るかもしれないからその前後でスエゼンが主催しなよ。」
「はい?(泡を吹きながら壁に頭を8回打ちつけ生命保険に加入しながら倒れる)」

という流れで大森さんコンサートの開催が決定。

O.A.もりおカイザーマン

5月の大森靖子来広ライブの時にオープニングアクトを飾ったあの男が再登場。
ヲルガン座のカーテンから現れた海パン姿の怪しい男。完全に引いてるお客さん。

その見た目とは裏腹に良い声を発する彼に少しずつ怪訝な顔から表情が和らいでいくお客さんたち。
なんとも言いがたい空気でイベントの幕開け。

イベント後に大森さんから「大森靖子が広島でライブをする時は毎回OAしてね」と言われるという心温まるエピソードもあり、腹が立ったので彼の家の風呂にふえるわかめをたくさん投入した。

1.月曜日のユカ

官能的な音色で濁り色のカクテルのような陶酔感をぽつりぽつりと溢すギター落合。
鹿の剥製やピアノが置いてあるヲルガン座のステージに人形のように溶け込むボーカル大下の震え気味の歌声がとても気持ちよく、いつものライブハウスで見る月曜日のユカとは別の表現がそこにあった。

「人じゃなくなちゃった」というフレーズが印象的な楽曲(タイトル不明)が演奏された瞬間、剥製の鹿がビクッと動いたような気がしたのは僕だけだろうか。

2.SUEZEN

この日はかなり音量を絞っての演奏。
セトリも「つれないね」「日記」などの新曲群の影響もあって普段より落ち着いた雰囲気に。
落ち着きが無いことが唯一の武器の僕ら、この日は丸裸で処刑台にあがる気分で演奏を。
丸裸のつもりがうっかり靴下だけ脱ぐの忘れてた...という感じのライブだった。

3.大森靖子

他の出演者はあくまで前座、この日の主役は大森靖子さん。
ドラムセットやアンプなどをすべて上の階の楽屋に戻し、大森さんのためのステージを作成。

1時間たっぷり濃厚なライブ。

ヲルガン座のカーテンの色は彼女のためにあの色に染まっているのかもしれない。大森さんはステージと一体化していた。鹿の剥製たちも聞き入っていたし、ステージ脇に置かれた蝶の剥製図鑑やベクシンスキーチックな絵画もどこか居心地がよさそう。それらに囲まれ目まぐるしく変化する大森さんの表情、声色、メロディー、アコースティックギターのアタック音、どれも生々しく脳を突いてきた。

ヲルガン座の2階席でスーパードライを片手に夢のような1時間をすごした。メロディー上を泳ぐ言葉をひとつひとつかみしめながら、大森さんが溶け込むステージ風景を切り取りながら、考えがよそに行く間もなくただひたすらに曲を味わうことができた。

この日、東京から大森さんを見に来ていたおっかけのおじさんと知り合う。
彼から「主催者から出演者への愛が見えるようなイベントだった」という言葉を頂き、感涙のあまり崖から海に飛び込んで昆布漁に目覚めそうになった(なお、彼とは3月に下北沢、8月に広島にて再開した)



文:SUEZEN松田

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